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「若年ママ運転免許取得事業」スタート



 

周知用のチラシ
周知用のチラシ

2023年3月30日 


 2022年4月、県が実施している「子ども未来応援基金」に応募した。この基金は、200万円の予算内でどのような事業を実施しても良いという内容である。その基金を活用し、以前から実施したいと思っていた、若年ママに運転免許を取得させるという事業を申請した。一人30万円かかる運転免許費用を6名の女子に支給して、免許を取らせるということである。


 以前から、若年で子どもを生み、一人で育てているママたちを自立させるためには、どうしたら良いのか、勿論高校へ進学し、何らかの資格を取るということが一番良いということは知っているが、それをするにはハードルが余りにも高く、時間がかかり現実的ではない。なぜなら彼女たちは、まず子育てをしなければならず、それよりも何をするにも一人で動くことが出来ない。なぜなら足がないためどこにも行けず、家の中で子どもと二人閉じこもっているしかないのである。


 沖縄には鉄軌道がなく、どこへ行くにも車が必要であり、そのことは沖縄県民であれば皆知っていることである。そして車を持つには、まず運転免許が必要であり、その免許取得費用は30万円かかるので、若年ママたちには到底その費用が準備できない。そのため数多くの若年ママから、運転免許を取りたいという声を聞いていたが、一人30万円は私たちにとっても高額であり、手も足も出なかった。


 この事業が決定した時、これで若年ママが自由に買い物や病院へも行け、そして保育園やハローワーク等社会へ踏み出す第一歩となれることを確信した。勿論、免許所持することにより仕事の選択の幅が拡がり、就職にも有利になる。6名の枠に、80名余の応募があり、初めての事業なので対象者の選定に慎重に時間をかけて選考した。子どもの数や地域性、免許の必要性、免許が取れる環境にあるのか等様々な角度から選定会議を重ね、6名の対象者を決定した。そして、それぞれの自宅から近くの自動車教習所へ通って免許を取得するという事業がスタートすることになった。


 選定された女子は、いずれも喜び早速自動車教習所に通うことになったが、乳幼児を抱えたシングルママが免許を取得するには、すんなりという訳にはいかなかった。子どもが病気をした時の預け先の確保や働きながらの練習時間の確保、生活費の確保等予想外のアクシデントがあり、中には同居家族のトラブルに巻き込まれ、落ち着いて教習所に通えないということも出てきた。そして、6名のうち4名しか最終的に免許を取得することが出来ず、改めて若年シングルママの免許取得の困難さを実感した。しかし、だからこそ誰かが寄り添わなければならず、彼女たちには運転免許費用だけでなく、きちんと教習所へ通えるような支援が必要であるということがわかり、改めてこの事業の必要性を実感した。


 
 
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