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< 令和6年度休眠預金活用事業報告会実施 >              ~ 若年シングルママの自立を目指して ~   

  2025年2月15日、休眠預金活用事業の令和6年度事業報告会を沖縄コンベンション会議棟で開催した。この事業は映画「遠いところ」の意見交換会後に、あの参加者の熱い思いに後押しされ、私たちも何かしなければという思いで始めた事業である。

  

  

シンポジウムのチラシ
シンポジウムのチラシ

 2024年3月に休眠預金活用事業の公募説明会があり、年度末、年度開始の多忙な時期に応募し、4月22日第一次審査を通過、5月1日に第二次審査のプレゼンがあり、厳しい審査を潜り抜け無事5月27日に最終決定通知を頂いた。


今回は、実施した次の5事業の報告をしたい。

 ①若年ママ運転免許取得事業(6名:入所3、通所3)②若年妊産婦自立支援関係機関意見交換会 ③若年ママアンケート調査 ④若年母子一体型自立支援施設の設置 ⑤韓国の愛蘭院視察である。


 盛り沢山の内容で、果たして2026年2月までの期間に5事業が実施できるかどうか不安があったが、採択された喜びと感謝の気持ちで、スタートをきった。まずしなければならないことは職員の採用であり、そして運転免許取得希望者の募集、そして新たな一体型施設の設置に向けてのアパート探しから始まった。

 

 職員手分けして動いた結果、まず新たな施設の場所が見つかった。こちらの事業内容にぴったりの部屋数があり、清潔で明るく、見晴らしの良い三階建てのアパートが見つかった。場所も家賃も手ごろで、幸先良いスタートとなった。次に、新たな施設の職員採用であるが、年度途中の採用のため果たして希望者がいるかどうか不安があったが、これもこちらが希望通りの方が現れ、安心して任せられる職員が見つかったことを喜んだ。


 そして、運転免許取得希望者に対してチラシを作製し、SNS、行政、マスコミは新聞県内二社に直接出向き、記事として掲載して貰った。募集期間は、7月10日から9月30日までの期間としたが、マスコミで告知するや電話が鳴りっぱなしとなった。

 

 受付は職員が電話で対応することにしたが、電話をかけてくる方は殆どが当事者の方である。それで当事者の方に10分程度の時間を貰い、アンケートを実施することにした。普段なかなか当事者の方に会う機会がない中で、当事者から生の声が聞けたことは大きな収穫であり、電話対応した職員が涙ぐむ場面もあった。最終的に67名の方から応募を頂き、アンケート調査を実施することが出来た。(アンケート結果は10月30日付ブログ参照)

 

 次に行ったのが、県内で若年妊産婦自立支援を行っている関係機関、団体の方たちを集めての情報交換、意見交換会の開催である。

 母子生活支援施設を始め、若年妊産婦の居場所、市町村の行政関係者、大学の教授(看護)等10団体に呼びかけ、年3回の予定で実施した。7月30日に第1回意見交換会を12名の参加者で実施し、各機関の現状を把握した。

 第2回は8月30日に参加者14名で、若年妊産婦自立支援の課題について話し合い、様々な課題がある中で、それぞれの機関で工夫をしながら奮闘している様子が伺えた。

 そして、第3回目は11月4日に「若年妊産婦自立支援関係機関意見交換会」と銘打って、参加者を広げて一般の方にも呼びかけた。内容は、本法人が実施したアンケート調査の報告、そして那覇市母子生活支援センターの當間郁子施設長から同施設で実施した「ティーンズマザールーム」の報告を行って、最後に参加者全員で「これからの自立支援について」の意見交換会を実施した。


第3回 若年妊産婦自立支援関係機関意見交換会の様子
第3回 若年妊産婦自立支援関係機関意見交換会の様子

 

 そして、韓国の愛蘭院の視察についても、9月24日~27日まで職員3名で、無事視察することが出来た。そこでの収穫は非常に大きく、その視察が県内での一体型自立支援施設の設置に向けての大きな原動力となっている。(韓国の愛蘭院等視察報告は9月30日付ブログ参照)


 2月15日の報告会は三部構成で行った。第一部が愛蘭院視察報告、第二部がみらいシンシアでの運転免許取得事業の報告、第三部が若年シングルママの自立に向けての意見交換会である。第三部には那覇市母子生活支援センターの當眞郁子施設長、県労働者福祉協会の岡野みゆき常務理事をお迎えして行った。

  

 

第一部 韓国母子支援施設「愛蘭院」視察報告
第一部 韓国母子支援施設「愛蘭院」視察報告




第二部 みらいシンシアでの運転免許取得事業の報告
第二部 みらいシンシアでの運転免許取得事業の報告

 

第三部 若年シングルママの自立に向けて意見交換会
第三部 若年シングルママの自立に向けて意見交換会

 

 実り多い報告会で、特にみらいシンシアで支援した3名のママたちの成長は著しく、運転免許を取得し、車を手に入れ、正規の職員として就職し、通信制高校へ受験し合格、そして自立に向けてアパートに親子で入居するという快挙を成し遂げた。わずか6か月の間に、正の連鎖が起こったとしか言いようがなく、報告会の参加者も素晴らしい結果に大きな拍手を送り、私たちへの大きな励ましとなった。

 
 
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