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道はできた!たとえ茨の道であろうとも進むしかない!


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 2023年9月30日

 

2021年4月、急遽若年妊産婦宿泊型居場所「まりやハウス風の家」をオープンした。沖縄では初めての施設で、長年の夢と必要に迫られての妊産婦居場所の設置となった。妊産婦6名が生活できる清潔でアットホームな新居が見つかり、運営資金は日本財団から助成金を頂き、自己資金もクラウドファンディングで多くの県民の皆様から浄財を頂き、順調にスタートを切ることができた。


 6名の妊婦を預かり、無事出産まで支援するということであるが、一人ひとり背景が違い、抱えている課題も異なっており、私たちの予想をはるかに超える内容であった。それでも新たな生命の誕生は感動を呼び、どの嬰児も愛おしく、出産の痛みを乗り越えた少女の顔は明らかに母の顔となり、その変貌を見られることは望外の喜びであった。そして、無事1年が過ぎようとしていた矢先の2022年2月、日本財団から次年度の予算の打ち切りが伝えられた。いきなりの通告で、目の前が真っ暗になり、今後どうすればよいのか、折角準備したこの施設はどうなるのか、閉鎖するのか、施設を継続するには余りにも金銭的負担が大きかった。


 4月以降の継続の方針も定まらない中、3月末に若年で2歳の子どもを連れた妊婦が住む家を追われ、未婚で県内に頼れる人もなく、働くこともできずに、入居を希望してきた。子連れの妊婦は想定外であったが、その母子を預かる施設は県内にはどこもなかった。改めて「まりやハウス風の家」の必要性を実感し、「道はなければつくればいい!」という初心を思い出し、たとえ道が茨の道であろうとも進むしかないということで、その母子を預かることになった。


 その後、妊娠に気づいた時には産むしかない、でも育てることができないという居場所を最も必要とする少女や単身の女性等を保護し、無事出産に繋げることが出来たことは、最後まで諦めずに、誰一人取り残さないという強い信念で、神に祈りながら金策に駆け回った結果ではないかと思われる。しかもその間、コロナという未曽有の災難に巻き込まれ、一時はどうなるかと思ったが、職員の強い団結により無事乗り越えることができた。


 最後の1年間(2022年)を何とか自費で乗り切り、その間県に陳情書を提出し、2023年度からは県の事業として予算がつくことになった。道はつくられたのである。そして2023年9月、私たちの「まりやハウス風の家」は無事役目を終え、閉じることになった。まさに、道は出来たのである。それまで支援して下さった多くの皆様に心からの感謝を捧げ、静かに幕を閉じた。

 
 
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